Vienna Game

e4 openingclassicalaggressive

ウィーン・ゲーム(Vienna Game)は 1.e4 e5 2.Nc3 で始まる。白はまずナイトを展開し、f のポーンを動かさずに残す。そのため黒の出方しだいで、静かな位置取りの戦いにも、本格的なキングズ・ギャンビットにもなりうる。この柔軟さと、いくつかの本当にたちの悪い罠のおかげで、イタリアン・ゲームより鋭いものを求めつつ二十手まで定跡を覚えたくないクラブ・プレイヤーに愛用されている。

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1.2.3.4.5.6.
メインライン
Vienna Game

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メインラインの解説
  1. e4白は e4 で開始し、中央を取ってクイーンと明るいマスのビショップの道を開ける。
  2. e5黒は対称形に e5 と応じ、同じ権利を主張して白のポーンがそれ以上進むのを止める。
  3. Nc3ウィーンを決定づける一手。ナイトはキングサイドのナイトより先に c3 へ出る。e4 を守り、そして何より f のポーンを後の f4 のために空けておく。
  4. Nf6黒は Nf6 と展開して e4 を攻め、最も自然な駒組みの手順を踏む。
  5. Bc4白は Bc4 と指し、ビショップを f7 へ向ける — 黒陣で最も弱いマスだ。
  6. Nxe4黒は e4 のポーンを取り込む。盤上で最も誘惑的な一手であり、この変化がこれほど多くの犠牲者を出してきた理由でもある。
  7. Qh5Qh5!ここが狙いだ。クイーンが e5 と f7 を同時に襲い、e4 のナイトは浮いている。黒にはすべてを支えるただ一手しかない。
  8. Nd6Nd6 がその一手だ — クイーンの f7 への道をふさぎ、同時に c4 のビショップに当てる。ほかの手ではその場で駒を失う。
  9. Bb3白は b3 へ引き、ビショップを交換せずに f7 へ通じる利きに残す。
  10. Nc6黒は Nc6 で e5 を守り、ようやく駒を一枚繰り出して浮いたポーンを支える。
  11. Nb5Nb5 が圧力を保つ。ナイトが c7 をうかがう一方、クイーンは依然として黒を e5 の防御に縛りつけている。Stockfish はここで白におよそ +0.7 を与える — 勝ちが決まったわけではなく、心地よく指しやすい優位だ。
Vienna Gambit

ウィーン・ギャンビット — 要は、役に立つ Nc3 をすでに指したうえでのキングズ・ギャンビットである。白は f4 を放り込んで中央と f 列を吹き飛ばしにいく。黒の正しい応手は駒を取ることではなく、ただちに ...d5 と突き返すことだ。主要変化のあと、エンジンはこの局面をほぼ互角(+0.1)と見る。これほど攻撃的な布陣に対して、黒には上々の結果だ。

  1. e4白は e4 と指す。
  2. e5黒は e5 と応じる。
  3. Nc3Nc3 — ウィーン。f4 を手の内に残しておく。
  4. Nf6黒は Nf6 と展開して e4 を攻める。
  5. f4f4!これがギャンビットだ。白は利きを開くために f のポーンを差し出す。キングズ・ギャンビットと同じ狙いだが、ナイトはすでに展開済みである。
  6. d5d5!正しい応手だ。黒は f4 で取らず、中央を突いて自分の駒の道を開ける。
  7. fxe5白は e5 で取り、黒が代わりに差し出したポーンを頂戴する。
  8. Nxe4黒はナイトで e4 を取り返し、中央の駒の釣り合いを取り戻す。
  9. Nf3Nf3 が展開して e5 のポーンを支える。
  10. Be7黒は Be7 と展開し、迫りくる嵐から逃れるためキャスリングを準備する。
  11. d4d4 が大きな中央を築き、c1 のビショップに利きを与える。
  12. O-O黒がキャスリングする。局面は鋭いが釣り合っている — Stockfish の読みはおよそ +0.1、つまり黒はギャンビットに十分応じきったということだ。
Meitner-Mieses Gambit

マイトナー・ミーゼス・ギャンビット。この序盤全体でも指折りの華やかな罠だ。白は f2 への攻めを無視して Nd5 と指し、黒にクイーンで取るよう誘いをかける。正確に受けられれば客観的には成立しないが、盤上では多くの一局を拾ってくる — しかも 6...Kf8 のあとでもエンジンは白におよそ +0.5 と読むので、実戦的な危険は見た目より小さい。

  1. e4白は e4 と指す。
  2. e5黒は e5 と指す。
  3. Nc3Nc3、ウィーンの手順だ。
  4. Nc6黒は e5 を守るため Nc6 と展開する。
  5. Bc4Bc4 が f7 に狙いを定める。
  6. Bc5黒も Bc5 と対称に構え、いまや双方のビショップが弱い f のマスをにらんでいる。
  7. Qg4Qg4!? クイーンが横へ振れて g7 を攻める。f2 の危険はまるで意に介さない。
  8. Qf6黒は Qf6 で g7 を守る。この手は同時に f2 への圧力も強める。
  9. Nd5Nd5!! これが狙いだ — 白は f2 を完全に無視し、クイーンと c7 を一手で襲う。
  10. Qxf2黒は王手をかけながら f2 を取る。勝っているように見えるし、たいていの相手には通用する。だが正しい続きを指されれば火遊びだ。
  11. Kd1Kd1!キングが脇へ寄り、黒クイーンへの攻めは続く。白の駒はことごとく黒キングを向いている。
  12. Kf8黒は Pin(ピン)を外して局面を支えるために Kf8 と指す。Stockfish はなお白をおよそ半ポーン良しと見る — このギャンビットは成立していないが、十分に指せる。
Smyslov Variation (3.g3)

3.g3 のスミスロフ・バリエーション — ウィーンの静かな顔だ。白はフィアンケットして囲い、ギャンビットを一切使わずに、ゆっくりと健全な位置取りの一局を指す。主要変化のあと Stockfish は完全な互角(-0.1)と読むが、それこそが狙いである。撃ち合いではなく、堅実な一局と長い中盤が欲しいときに選ぶのがこの形だ。

  1. e4白は e4 と指す。
  2. e5黒は e5 と指す。
  3. Nc3Nc3 がウィーンのあらゆる選択肢を残す。
  4. Nf6黒は Nf6 と展開する。
  5. g3g3 — スミスロフの手法だ。白は f4 ではなく Bg2 と静かな位置取りの戦いを準備する。
  6. d5黒は d5 と中央を突く。定番の均衡を取る仕掛けだ。
  7. exd5白は d5 で取る。
  8. Nxd5黒はナイトで取り返し、そのナイトはいま中央で活発に働いている。
  9. Bg2Bg2 がフィアンケットを完成させ、ロング・ダイアゴナルに圧力をかける。
  10. Nxc3黒は c3 で交換し、白に重ねポーンを受け入れさせる。
  11. bxc3bxc3 と取り返す。重ねポーンは見た目こそ悪いが、d4 を支え、ルークのために b 列を開けてくれる。
  12. Bd6黒は Bd6 と展開して e5 を守る。局面は互角で、戦略的に内容が濃い — Stockfish の読みはおよそ -0.1 だ。

核心となるアイデア

  • 2.Nc3 の狙いはすべて柔軟性にある。f のポーンが空いたままなので、白は黒の陣形を見てから、d3 と Bg2 による静かな戦いか f4 による直接攻撃かを選べる。
  • Qh5 のひっかけは丸暗記する価値がある。3.Bc4 Nxe4 のあと、e5 と f7 への両取りは、黒が正確な 4...Nd6 を見つけないかぎり駒得になる。
  • f4 の仕掛けはこの序盤の攻撃的な魂だ。黒がいったん ...e5 と決めた以上、f4 はそれに真っ向から挑み、黒キングへ向かう f 列を開く。
  • 黒の最も信頼できる均衡策は中央への一撃 ...d5 である。良い状況でこれを実現できたときはいつでも、ウィーンはその毒のほとんどを失う。
  • 明るいマスのビショップの居場所は a2-g8 の利きだ。交換せずに b3 へ引くこと — 攻撃の変化を成立させているのは f7 への圧力にほかならない。
  • 静かな 3.g3 の変化はまったく別の戦いになる。フィアンケットして囲い、ゆっくりした位置取りの戦いを指す。ウィーンの手順は使いたいが戦術は避けたいときに有用だ。